牛込神楽河岸・揚場河岸を拠点とした当社は、「新川下り酒問屋」としての顔も併せ持っています。
新川・南茅場町の酒問屋・升本。
揚場河岸の升本本店（ほんだな）は、灘からの下り酒を扱うために酒問屋株を入手し、当時「北新川組」「新川組」「茅場町組」の3つの組に分かれていた新川酒問屋の中の「茅場町組」に「升本茅場町店（かやばちょうだな）」として商いを開始。
資料からはその後「升本商店」、さらに分家筋が独立し「升本幸太郎商店」、「升本商店」となったと想定される。写真は出店の「升本商店」の頃のものと考えられる。
なお、日本橋蠣殻町の永久橋にも出店「永久橋店（えいきゅうばしだな）」があり、そこの店主（分家筋の升本喜衛門）はのちに屋号「升本喜衛門」として独立し、後年、東京酒問屋統制商業組合の理事長として業界活動に尽力した。
これらの出店／分家筋の問屋は現在までに「升本総本店」に統合された。
1941（昭和16）年10月17日に催行された新川大神宮例大祭における集合写真（出典：岡村亀崖翁「東京新川の今昔」）
最前列の左から２番目が升本喜衛門（東京酒問屋統制商業組合理事長）、三列目の左から３番目が升本商店社長。
新川大神宮境内にある護持する問屋衆等の名札板。
下の部分に「発起人」の古い名札が並んでいる。
古くなって黒ずみ、柱の色とも一体化しているが、近寄ると、十分判読可能（この写真は「升本商店」の部分）。
ちなみに、ここに挙げられているのは当社関連の３者を含む、下記の面々。
發起人
株式會社 加島屋 株式會社 金星 株式會社 中井酒店
株式會社 大星岡村商店 合名會社 升本商店 株式會社 牧原本店
東京酒問屋株式會社 株式會社 荒井商店 株式會社 國分商店
株式會社 廣屋商店 株式會社 小網商店 株式會社 升喜商店
株式會社 近藤辰次商店 株式會社 岡埜商店 合名會社 森田商店
日本酒類販売株式會社 株式會社 升本總本店 合資會社 鈴木商店
中央酒販株式會社 株式會社 奴利彦 高原照也
平埜太郎兵衛 升本喜衛門 東京酒類商業協同組合
